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債権譲渡が行われた場合の取引履歴の開示

2011年12月13日 火曜日

 弁護士が行う債務整理の手続には,①任意整理,②破産,③個人再生の3種類がありますが,まずは,貸金業者に対して,取引履歴の開示請求を行うことは共通です。
 
 貸金業者の中には,借主に対する貸付金債権を一括して他の貸金業者に債権を譲渡している場合があります。債権譲渡が行われた場合の過払金返還請求については,最高裁平成23年3月22日判決(判例タイムズ1350号172頁)が存在します。
 この最高裁判決によると,債権譲渡の際に,譲受業者と譲渡業者の間で譲受業者が譲渡業者の借主に対する債務を承継しない旨の合意をしている場合には,金銭消費貸借契約に係る契約上の地位を当然に移転すると解することはできず,過払金返還債務も当然には承継しないことになります。

 
 取引履歴の開示義務は,金銭消費貸借契約上の付随義務と解されていますから,債権の譲受業者は,借主と譲渡業者との間で行われた取引については,取引履歴の開示義務を承継しないことになります。
 しかし,通常,譲受業者は,債権譲渡の際に,借主の顧客データの引渡しを受けており,文書の所持者に該当します。
 借主側から見ると,債務が譲受業者に引き継がれている以上,貸金債権の額を正しく把握するためには,譲渡業者との間の取引履歴を確認する必要があります。
 したがって,金銭消費貸借契約上の付随義務としての取引履歴開示義務はないとしても,貸金返還請求訴訟や債務不存在確認訴訟において文書提出命令の申立てがなされれば,提出義務を負うことになります。

 なお,実務上は,譲受業者が自ら譲渡業者との間で行われた取引履歴についても開示することがほとんです。


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