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相殺禁止と投資信託解約金

2014年6月6日 金曜日

投信信託の解約金と相殺禁止で触れたように,危機時期以降に破産債権者が債務を負担した場合,破産者の債務者が破産債権を取得した場合等の合理的な相殺期待とはいえない類型については,債権者平等の観点から相殺は禁止されます。これは,破産法,民事再生法とも共通です。

債権者である銀行が,破産者に対して有する債権を自働債権,危機時期以降に解除された投資信託の解約金を受働債権として相殺することができるかという問題があります。

 

民事再生についてですが,最高裁平成26年6月5日判決で,最高裁は結論として相殺はできないと判断しました。以下がその理由です。

 

解約実行請求がされるまでは,再生債務者が有していたのは投資信託委託会社に対する受益権であり,全ての再生債権者が等しく責任財産としての期待を有している。

解約実行請求がなされたことにより,銀行に対して解約金の支払請求を取得するに至ったが,解約金支払請求権は,受益権と実質的には同価値を有する。

解約実行請求権は銀行が支払停止を知った後になされたので,銀行が解約金支払請求権を受働債権とする相殺に対する期待があったとしても合理的なものとはいい難い。

投資信託の管理委託契約に基づき銀行が受益権を管理している間も,原則,自由に他の振替先口座へ受益権を振替えることができ,振替えがなされると,銀行は解約金支払債務を負担することは生じないので,解約金支払債務を負担することが確実であったとはいえない。

銀行が解約金支払債務を受働債権として相殺するためには,他の債権者と同様,債権者代位権に基づき再生債務者に代位して解約実行請求を行うしかなかった。

 

以上の各点から,銀行が解約金支払債務をもってする相殺の担保的機能に対して合理的な期待を有していたとはいえず,相殺を許すことは再生債権についての債権者間の公平・平等を基本原則とする再生手続の趣旨に反する。

したがって,民事再生法93条2項2号の支払停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因に基づく場合には当たらず,相殺は許されない。


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