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投信信託の解約金と相殺禁止

2013年7月11日 木曜日

破産法は,危機時期以降に破産債権者が債務を負担した場合,破産者の債務者が破産債権を取得した場合等の合理的な相殺期待とはいえない類型については,債権者平等の観点から相殺を禁止しています。

破産者に投資信託がある場合,管財人は解約の手続きを取ります。銀行が破産債権者の場合,口座に解約金が入金された後に,相殺ができるか,すなわち破産法67条2項の適用があるかが問題となります。

大阪高裁平成22年4月9日判決(最高裁にて上告不受理決定)は,以下のように,銀行の破産債権を自働債権,解約金の支払債務を受働債権とする相殺を肯定しました。なお,同判決は,解約金請求権を停止条件付債務と解しています。

破産債権者が破産者に対して停止条件付債務を負担している場合,特段の事情がない限り,破産手続開始決定後に停止条件が成就したときも相殺は可能(最高裁平成17年1月17日判決)である。

銀行が破産者に対して負っていた債務が停止条件付債務であるが,条件不成就はほとんど考えられず,債務額も基準価格によってどの時期でも容易に算定可能である。

したがって,銀行は破産者の破産手続開始決定時に,容易に現実化する一定額の債務を負担していた。銀行の破産者に対して有していた破産債権との関係で,相殺の担保的機能に対する合理的な期待を有していなかったとまでは言えない。

管財人が解約の時期を全く自由に選択できると解するのは妥当ではない。自働債権が存在しないか,受働債権よりも少額であれば,管財人としては当然,解約実行請求すべきである。自働債権の方が多額であっても破産債権者から相殺権が行使されることで,破産債権が減少し,他の破産債権者の配当がその分増加するので,管財人が破産者の受益権を放置することは許されていない。いずれにしろ,投資信託の受益者が破産した場合は,解約金支債権は現実化すべきものである。


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